持続可能な開発目標(SDGs)とは

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。

SDGs 17のゴール

カミチクグループの3つの重点取組領域

01. 6次化発展への取り組み

持続可能な畜産・農業の推進

  • 6次化スタイル

    「6次化スタイル」はカミチクグループの事業の象徴です。

    「6次化」とは「1次産業(農業)×2次産業(製造業)×3次産業(販売・外食)」と掛け合わせることを意味します。つまり、畜産業界における入口から出口までのすべての業務を自社で行っているのです。

    カミチクグループは、1985年に食肉卸売から事業がスタート。そして、求められる商品を提供するために1992年より畜産事業を手掛けるようになり、さらに販路を広げるために2006年には外食産業にも進出しています。生産部門ではエサづくりから取り組んでいます。九州の飼料農家と協力しながら理想とするエサを追求。良質なエサを与えて、牛の肉質の向上と安定供給を実現します。

    エサから手掛けることで商品開発も幅広く行えるので、市場が求めるもの、あるいはブランド力のある商品を打ち出すことが可能になります。生産者の強みを活かし、食肉加工や外食事業でさらなる価値を提案することにつなげています。

    そして、当社の商品販売・外食事業は海外にも展開を拡げています。

    6次化スタイルは、魅力ある商品を拡げるための販路を自分で作る、外食産業で知り得る消費者の好みの変化を素早く生産現場で活かす..など、相乗効果が生まれます。グループ内での生産調整も行いやすく、ロスの出にくい体制づくりにつながっています。

    今後も生産体制の効率化・進化、新たなブランドの創出、加工品の開発、外食事業の発展、ECサイトや海外展開の強化による販路拡大などに努め、グループ全体でより強い畜産ビジネスの構築に取り組んでいきます。

    そして、自分たちの発展だけでなく、畜産業界全体を強いものにしていきたいとも考えています。目指すは真の意味での「共存共栄」です。関わるすべての人がしかっりと利益を出せる体制をつくり、事業を未来へと引き継いでいく。地域に根付いた産業を守り、持続的発展をはかります。

    カミチクグループでは2020年に株式会社九州ファームソリューションを設立。この会社は、多種多様な企業・組織と連携をとりながら、農畜産業における課題の解決に取り組んでいます。あらゆる角度から生産者を支援し、安定した生産基盤を構築するお手伝いをします。生産者のビジネスを強くすることで、九州の基幹産業である農畜産業の発展を目指します。

  • 好(こう)価格への取り組み

    私たちは「好価格」という考え方を大事にしています。

    これは、すべての人たちにうれしい価格です。生産者にとっても、食肉加工事業者にとっても、販売事業者にとっても、そして、食べていただく消費者にとっても。誰か一人が利を得るのではなく関わるすべての人たちが満足する価格を目指しています。

    カミチクグループの6次化スタイルは、好価格の実現にもつながっています。1次産業で安定的に生産し、3次産業でしっかりと売り切ります。また、相場に左右されない自社ブランドを打ち出すとともに、消費者に食べていただける仕組みも用意します。さらには、消費者が何を求めているかを素早く察知し、これを品質改良や生産調整、ブランド開発に活かします。

    高付加価値の商品で勝負する一方で、新たな畜種にも挑戦しています。例えば、オリジナルブランドの「南国黒牛」。オーストラリア生まれの豪州Wagyu(フルブラッド・ピュアブリード)をカミチクファームの農場(鹿児島県内)で肥育した、和牛遺伝子を93%以上受け継ぐ肉専用種です。和牛と遜色がない品質で、お客様に大変喜んでいただいています。

    今後も、相場に左右されない好価格で勝負できる事業展開を進めていきます。そして、私たちの商品の認知度をさらに上げ、提供する機会を増やす取り組みにも引き続き注力します。

    「好価格」は畜産業界や地域経済の持続的な成長につながるものである、と私たちは考えています。

  • 畜産・農業教育

    農畜産業の持つイメージを「かっこいい仕事」に変えていくこと。

    それがカミチクグループの目標のひとつです。

    魅力ある業界をつくるため、たくさんの人が働きたいと思える「かっこいい仕事」にしていくために、これまで事業を構築してきました。6次化スタイルもその一環です。

    カミチクグループでは3次産業の担い手が1次産業の現場で働くなど、人材の交流をはかっています。お客様へ食をお届けする者が生産の現場を知ることで、食べてくださるお客様に生産者の思いを伝えられるようになると考えています。

    カミチクグループでは講演や食育活動などを通して、農業・畜産の魅力や6次化スタイルについて伝えています。また、学校のほかに経営者勉強会などでも講話を実施しています。これらはCSR活動の一環として今後も続けていきます。

    上場小学校にて
    ▲鹿児島県出水市の上場小学校にて、上村代表の講演

技術革新による持続的な生産体制の構築

  • 自動給乳機の導入


    ▲カーフレールの様子(カミチクファーム 伊佐農場)

    カミチクグループはスマート農業に取り組んでいます。

    株式会社産学連携機構九州や農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)などと協力して実証試験を実施しており、その中で、カーフレール(自動給乳機)を導入しました。

    子牛を育てる現場では、人による手飲ませで給乳を行います。この業務の負担は大きく、自動化することで労働力の削減をはかります。

    カーフレールを導入することで、牛舎あたりの哺乳業務時間を半分以下に削減できました。現場を少ない人数でまわせるようになったことに加え、牛を観察する時間も以前より取れるようになり、さらに、牛の死亡率も減少しました。

    また、1日あたりの哺乳回数を増やすことにより、1回あたりのミルクの量が減り、胃の負担を軽減することにもつながります。

    今後もカーフレールの増台を計画しています。人員の削減をはかりながら、生産性の向上と飼養頭数の増加につながると期待しています。

  • U-motion(ユーモーション)の導入

    株式会社産学連携機構九州や農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)などと協力して実証試験を実施しています。

    牛の状態把握は人の目視により行われてます。そのため、人が牛舎にいないときは確認できず、牛の自然発情や健康異常を見落とすことになってしまいます。

    この課題を解決する技術が「U-motion(ユーモーション)」です。


    ▲U-motionを付けた牛たち

    各種センサーを牛の首に装着し、牛の行動を記録して健康状態を管理できます。夜間に発情行動が起こった場合でもアラートで知らせてくれます。

    牛舎にU-motionを導入したところ、見回り時間は3分の1以下となり、妊娠率は倍増しました。また、観察を自動化することにより、熟練のスタッフでなくとも自然発情を判断できるのも大きな利点です。

    実証試験からは大きな効果が期待され、今後も導入・研究を進めています。

循環型農業への取り組み

  • 農家(販売先)への堆肥散布

    堆肥は牛糞を発酵させたもので、完熟したものは良質な農業資材として活用できます。

    また、完熟堆肥は戻し堆肥・戻し敷料(しきわら)として牛舎に入れて循環させることもできます。

    カミチクグループでは大量の牛糞が出ます。カミチクファームの金峰農場・溝辺農場・伊佐農場、カミチクファーム九州の西都農場などでは完熟堆肥化に取り組んでいます。堆肥はカミチクグループ内で活用するほか、農家にも還元しています。

    例として、酪農を行うカミチクファーム 伊佐農場(鹿児島県伊佐市)にはホルスタイン種が1,050頭(数字は2022年4月時点)飼育されていて、1日に出る糞量は約74t。そのうち完熟堆肥量は約37tです。

    堆肥は牧草地に散布するほか、場内での戻し堆肥・戻し敷料(しきわら)としての活用や、近隣の農家にも販売しています。

    戻し堆肥・戻し敷料は場内で循環ができています。敷料に使うおが屑の価格は高騰していますが、その使用量を抑えることもできています。

    今後は場内での全量堆肥化をすすめ、堆肥のさらなる活用をはかります。

    ▲堆肥の発酵
    ▲戻し敷料
    ▲堆肥の散布(近隣の販売先)

  • 飼料に焼酎かすを利用

    鹿児島県南さつま市金峰町の農場内にTMRセンターを持ち、ここに飼料作物を集めてTMR発酵飼料(混合発酵飼料)を製造しています。

    鹿児島県は芋焼酎や澱粉の生産量が多い地域です。これらの副産物である「焼酎かす」「澱粉かす」を飼料に混ぜ込みます。ほかにも「パイナップルかす」「醤油かす」「おから」なども活用します。「焼酎かす」だけで年間約1,200tを、地元の焼酎蔵から購入しています。

    廃棄するものが栄養豊富な牛の餌となるのです。原料費も抑えながら、良質なTMR発酵飼料をつくることが出来るのです。


    ▲TMRの原料をミキサー車に投入

  • 放牧

    カミチクファーム 譲葉農場
    ▲カミチクファーム 譲葉農場(熊本県球磨郡球磨村)

    カミチクファームの一部の農場では、牛の放牧を行っています。

    伊佐農場(鹿児島県伊佐市)では繁殖母牛を分娩前まで放牧します。ストレスフリーな環境は牛にとってもいい影響があると考えられます。また、傾斜地を歩くので足腰も鍛えられます。

    通常は子牛が生まれてから1週間程で母牛から離しますが、譲葉農場(熊本県球磨村)では親子いっしょに3ヶ月間放牧しています。母乳で育てると子牛が強くなり、肥育での伸びが良くなる傾向があります。また、母牛の子宮の回復も早くなります。

  • 牛の健康管理

    カミチクグループの牛の年間飼養頭数は約18,000頭です。

    その1頭1頭に愛情を注ぎ、大切に育てています。

    各農場では牛舎の部屋ごとに、給餌チェック表・治療履歴・注記すべき牛の番号などを掲示していて、毎日しっかりと確認を行っています。そして、牛の体調に異変があれば、迅速に対応できる体制となっています。

    牛にとってやさしい環境をつくるとともに、品質や生産性の向上にもつながります。


    ▲牛舎の部屋ごとに設置されたチェック表

    U-motion(牛の動きをセンサーで検知する管理システム)やカメラの設置も進めていて、これらも牛の健康管理に大きく役立っています。見落としがないように、より早く気付けるように、健康管理体制のさらなる強化をはかっていきます。

グローバル・パートナーシップ

  • 海外への6次化スタイルの輸出

    カミチクグループはエサづくりから生産・加工・販売までを一貫して行う「6次化スタイル」を推進しています。この6次化スタイルを海外にも展開し、世界市場へとフィールドを拡げていきます。

    現在、香港・ベトナム・シンガポールにおいて、現地法人を設立。カミチクグループが国内で展開している「6次化スタイル」を海外へ輸出します。

    そして、このプロジェクトを進めるにあたり大切なのは「人」です。カミチクグループでは外国人の雇用を積極的に行っており、将来的に彼らが現地で活躍することを期待しています。

    現に、カミチクグループの技術をベトナムに輸出する計画が進んでいます。


    ▲2019年に入社したベトナム人獣医師たち

    日本で牛の肥育や食肉加工に従事し技術を習得したベトナム人が、日本で学んだ技術や仕組みを現地に伝えていきます。

    一方、オーストラリアでは豪州和牛の繁殖・育成・肥育事業を実施。そこで育てた豪州和牛の子牛を輸入して肥育したものを「南国黒牛」のブランドで展開しています。

    カミチクグループがこれまで築き上げた「6次化スタイル」で、現地の雇用促進・経済発展につなげます。

  • 九州プロモーションセンターの設立・運営

    2020年11月、ベトナムのハノイ市に「九州プロモーションセンター(以下:K.P.C.)」を開業しました。

    K.P.C.は、ベトナム政府並びに一般社団法人九州経済連合会の協力の下、九州地方の魅力発信や同地方の自治体・企業および各種団体のベトナムにおける橋頭堡(きょうとうほ)としての機能を果たすべく、KAMICHIKU VIETNAM JOINT STOCK COMPANY(以下:カミチクベトナム)、Zero-Ten Park社と共に進めてきたプロジェクトです。

    九州プロモーションセンター 外観と内観

    現在は、カミチクベトナムがレンタルオフィス・シェアオフィス・コワーキングスペースを提供し、ベトナムと九州を繋ぐビジネスプラットフォームとして、九州の情報発信やベトナムのビジネス情報収集の拠点として活用されています。

    利用者は主に、日本と取引をするベトナムの企業、ベトナムに進出する日本の企業などが対象です。出張での短期利用、法人設立に向けた一時オフィス、ベトナムでビジネスを拡大するためのメインオフィスなど、様々な用途で利用できます。

    今後は、法律事務所・人財派遣会社・翻訳サービス会社・旅行代理店などと連携して、ベトナムでのビジネスセットアップのサポートを行うと共に、コワーキングスペースを無休営業とするなど、より利用しやすいサービス体制を構築していきます。


    ▲九州プロモーションセンター設立調印式の様子

02. 環境保全への取り組み

持続可能な資源の利用

  • 休耕田での飼料イネ栽培支援

    カミチクグループでは500以上の飼料生産者と契約を結び、九州産の飼料用イネや米を使って畜産を行っています。

    この取り組みは、カミチクグループ代表の上村昌志が、九州に耕作放棄地が多いことに危機感を持ったことから始まったもので、地域社会・環境・経済を守るため、そして、日本の農業が元気であるために、カミチクグループは休耕田の活用に積極的に取り組んでいます。

    阿蘇の休耕田を使った飼料用稲の栽培

    耕作放棄地について地域の農業委員会や粗飼料組合などから相談を受けた場合、カミチクグループで活用を検討します。契約飼料生産者と連携して活用にあたり、土地を購入、あるいは借りて飼料用作物を栽培。そして、生産した分はすべて、カミチクグループが買い取ることを約束しています。

    2020年度は約1,500haの休耕田を活用し、約16,000tの飼料用作物を生産しました。

温室効果ガス排出抑制への挑戦

  • 家畜のゲップに含まれるメタンは、地球温暖化の原因のひとつとされています。

    カシューナッツ殻液を牛に与えると、第一の胃に働きかけて、メタン発生を約20〜40%抑制する効果が期待されます。

    カミチクグループでは、カシューナッツ殻液を混合した飼料を一部の農場の牛に食べさせています。

    現在、効果検証中。

03. たくましくやさしい会社への取り組み

顧客満足の追求

  • ISO22000取得による安全安心な牛肉

    2010年よりISO規格(International Organization for Standardization:国際標準化機構)に取り組んでいます。

    カミチクの本社と加工センターが「ISO22000(衛生面を含めた食品安全管理を実践するためのマネジメントシステム規格)」の認証を取得。また、カミチクファーム 金峰農場・TMRセンターとクオリティミートも取得しており、エサづくりから加工販売まで、認証を受けています。

    食品安全管理はHACCPを基本とします。HACCPとはハザード(Hazard)・アナライシス(Analysis)・クリティカル(Critical)・コントロール(Control)・ポイント(Point)の頭文字をつなげた言葉で、日本語にすると「危害分析重要管理点」となります。食品製造で考えられる危害を分析し、連続的に衛生管理を行い、それを元にお客様に安全な製品を提供することが可能となります。

    また、カミチクファーム 加世田農場は、2020年3月にSQF(SAFE QUALITY FOOD)の認証を取得しています。

    6次化スタイルを推進するなかで、食品安全管理の考え方をグループ全体に浸透できるよう進めていきます。

    カミチクグループの衛生管理は世界規準!2010年6月より、カミチクファーム 金峰農場・TMRセンター・カミチク本社・加工センターという、農場・エサづくりから加工・販売まで、ISO22000を取得しています。また、カミチクファーム 加世田農場は、2020年3月にSQF(食品安全システム)の認証を取得しています。カミチクグループは世界規準の安全・安心体制を目指しています。

働きがいのある職場への取り組み

  • 役割等級制度等人事制度の運営

    カミチクグループは、従業員が仕事にやりがいを感じ、目標を持って成長できる環境でありたいと考えています。そのために人事制度の整備を進めています。

    近年では「役割等級制度」を導入し、評価と処遇も明確になりました。育成ロードマップを活用し、目標設定から評価までの流れを作ることで、やりがいを持って仕事に取り組むとともに成長も促します。

  • 人財育成・技能習得機会の提供

    カミチクグループ代表の上村昌志には、「日本の農業を強く、優しく、かっこよくする」「美味しいお肉をとおして、世界中の人たちを幸せにしたい」という思いがあります。

    カミチクグループの事業展開のは根底には、これらの思いが込められています。

    カミチクグループの各現場では、企業の使命感・企業理念の浸透をはかることを中心とした教育を実施。新入社員にも中途採用者にも代表自らが研修を実施し、思いを伝えます。また、講師を招聘しての研修・勉強会も定期的に開催し、社員の知識の向上や技能の習得を促します。外部資格取得支援制度もあり、受験料・講習受講料を助成しています。


    ▲外部講師によるセミナーの風景


    ▲カミチクグループ従業員専用 Eラーニング

    それらと併せて、カミチクグループ独自のEラーニングシステム「カミチクアカデミー」を活用して、社員がどこでも学べる機会も設けています。

    これからも人財育成の場を増やし、ひとりひとりが成長するとともに、働きがいを醸成していきます。

労働における安全衛生の維持

  • 安全器具装着・安全指導・機器による労働負荷軽減

    食肉加工の現場では、枝肉が重いことや刃物を扱うために就業上での労災の発生リスクがあったり、職場清掃が働く人たちへの負担になっていたりなど、改善すべき点がありました。

    メッシュ手袋などの安全器具の装着、けがを防止するための教育、機器の導入、職場環境の整備など、現場の安全対策に取り組んでいます。

    共有スペースは交代制で清掃を行うなど、安全で衛生的な働きやすい環境づくりを行っています。また、従業員の負担軽減のために外部業者による職場清掃も取り入れました。こういった取り組みは、生産性や品質の向上につながります。

    株式会社カミチク 製造1課
    ▲株式会社カミチク 製造1課

    今後も、人がやるべき業務と機械化できる業務のメリハリをつけ、さらなる改善に取り組みます。そして、働く人たちが安全で気持ちよく働ける職場づくりができるよう、不安全な行動が無いか、危険な場所はないかなど、安全を意識した職場づくりを目指していきます。

地域の雇用創出

  • カミチクグループの雇用

    「企業は人なり」

    カミチクグループが、人を大切にする姿勢は創業時から変わることはありません。

    鹿児島県内を中心に採用を続けていますが、採用範囲が日本全土から海外まで広がりつつあります。

    6次化スタイルを展開する中で、カミチクグループは1次から3次産業までの幅広い職種を採用。

    近年はベトナム・インドネシア・ネパールからの雇用も増えています。海外での6次化スタイルを実現するために現地での雇用も創出しており、ベトナムでは16人を採用しました。

    近年では、農福連携による障がい者雇用も行っています。

    また、株式会社九州産直市場が、地方創生の一環として取り組んでいる、道の駅や物産館などの再生事業では、地域の雇用促進と経済の活性化にもつながっています。

  • 農福連携

    カミチクグループでは障がい者の方も活躍しています。

    2020年2月より、カミチクグループが提携するグループホームからアクセスの良いカミチクファームの溝辺農場(鹿児島県霧島市)で試験的に連携をはじめました。業務委託という形で6名を受け入れ、その中から適性のある1名が現在も継続的に溝辺農場での業務にあたっています。当初は支援員がついて送迎も行っていましたが、半年ほどで自分で通勤し、1人で業務にあたるようになりました。

    また、カミチクファームの伊佐農場(鹿児島県伊佐市)でも受け入れています。現場体験を実施したのち、2021年1月より2名の方が支援を受けながら哺育業務にあたっています。

    現在も、溝辺農場・伊佐農場共に、見学や体験の受け入れを行っています。

    南薩地域(鹿児島県薩摩半島南部)では、現在検討中です。南薩方面にカミチクファームの農場が複数あることと、南薩地域では就労支援を行う事業所が少ないことから、この地域の障がい者の自立支援にも寄与していきたいと考えています。

    株式会社カミチクの加工センター(鹿児島市下福元町)での連携についても、現場確認や体制等の検討しております。現在、受け入れ開始に向けて、鹿児島市南部で就労希望者を募集しています。

人権尊重・男女平等の実現

  • 技能実習生の受け入れ

    カミチクグループは、2012年より外国人技能実習生を受け入れています。

    当初は酪農部門で、その後、製造部門でも受け入れを開始しました。

    東南アジアでの6次化スタイルの展開が立ち上がり、将来的にベトナムやインドネシアなどで牛の生産から製造・加工、販売や外食事業を行う際の人財を育成する目的もあります。

    技能実習生はモチベーションも技術も高く、大きな戦力として活躍をしています。修了後も特定技能に切り替えて就業を希望する方も多く、優秀な特定技能の社員は、給与水準も高く設定しています。

    母国に帰ってから「事業を起こしたい」「焼肉店を経営したい」と考えている社員も多く在籍しているので、希望者に対しては必要な知識を身に着けられるような機会を提供します。

    また、優秀な人財については、権限と責任、それ相応の報酬を与え、より活躍できるような柔軟な評価制度の導入も検討しています。

    東南アジアで事業を展開する際には、現地の幹部社員としての活躍も期待しています。

  • 日本語習得支援

    母国で日本語を勉強してきているものの、日常会話ができず、業務にも支障が出ていました。

    日本語の習得のために、教材の活用や日報の日本語添削などを実施。その他には、ニュースの音読を毎朝行うなど、読む・書く・聞く・話すをバランス良く学習に取り入れています。

    日本語の習得が進むと業務の幅も増え、場長補佐のポジションを担う外国人社員もいます。

    外国人財の割合として特にベトナム人が多く、今後のベトナムでの事業展開も視野に入れ、幹部社員としての育成を行っていきます。

  • 育児支援

    カミチクグループは、女性の産休・育休取得に対して理解の厚い社風でありたい。

    育児支援制度を整備しており、10年以上前から時短勤務制度の利用実績もあります。そのため、妊娠を理由とした女性社員の退職は殆どありません。

    男性の育休についても業務に支障が出ない範囲で利用が進んできています。子の看護休暇制度(看護のための有給休暇が、未就学児1人あたり5日間付与されます)もあります。

    今後も支援制度のさらなる充実をはかり、仕事と育児を両立しやすい環境づくりに努めていきます。